『ようこそ ようこそ』

『ようこそ ようこそ』

 

私(たち)は毎日色んなめにあい、色んな思いを持ってゆかねばなりません。

(その昔)色んな出来事を「ようこそ ようこそ」と受けとめていかれた方がおられました。

因幡(いなば/鳥取県)の源左さんとおっしゃる方です。

「ようこそ」とは因幡の方言で「ありがとう」という意味だそうです。

 さて、源左さんのお言葉には続きがあります。実は、

「ようこそようこそ、さてもさても」というのが源左さんの口癖だったそうです。

楽しい事や苦しい事、うれしい事や悲しい事、色んな出来事ややりきれない思い。

私の上に起こってくる全てを「ようこそようこそ」と受けとめるけれども、時によっては「でもやっぱりなぁ」という思いが残る…。

「さてもさても」とはそういうことでしょう。

 「ようこそようこそ さてもさても」この言葉の中に私の人生の全てが凝縮されているような気がいたします。

 「さてもさても」の人生を「ようこそようこそ」と引き受けていく源左さんを支えてくださっていたおはたらきがあるのですね。

-2021西法寺除夜の鐘 記念番号札-